本気の失敗には価値がある!【JAXAコズミックカレッジ:宇宙パラシュートをつくろう】開催レポート

「自分で考えて、やってみる」それを基本方針として開催したイベント「宇宙パラシュートをつくろう」を開催しました。

アンケートに書かれた感想を見ると、子供にとっても、親にとっても良い体験になったみたいで嬉しい。
そんなイベントのレポートです。

目次

宇宙パラシュートをつくろう

ふうせん宇宙撮影で有名な岩谷圭介さんが考案された「宇宙パラシュート」
愛知でも教室があり、そちらにご協力頂きながら初めて開催することができました。

文字のない設計図をもとに、ビニール袋を八角形に切ります。
そこにヒモを付けてガチャガチャのカプセルを付けるというとてもシンプルな工作です。

この工作の大事なルールは「自分で考えて、やってみる」ということ。
工作材料を1人4つぐらい作れる分量を用意しているので、失敗大歓迎です。

失敗や上手くいかないことからの、学びの多さに気づいてほしいのです。

「失敗したから新しいビニル袋欲しい!」という子には、まず「どんな失敗をしたか?」を確認します。例えば、真ん中の穴が大きすぎるだけなら、「それで落とすとどうなるか試してみたら?」と伝えます。

それでもやり直したそうにする場合は「じゃあ、両方作って比べよう」と促す。

正解のものだけを作り上げるだけが目的ではない。そんな雰囲気がうまく作れたと思います。

宇宙パラシュートをとばそう

会場である北神戸田園スポーツ公園は、パラシュートを落とすに良い場所があります。ほんと最高すぎる。。。

全員で行くと密になるので、工作の早い組、遅い組に分けて外に出ました。

まずは、パラシュートなしのカプセルを落とすとどうなるかを実験。

そのあと自分のパラシュートを投下。

畳んで上から投げると、傘は開くのか?とかやってみたり。

きれいに傘が開く子、うまく開かない子、いろいろです。

作り方に何かあるのか?
投げ方に何かあるのか?

工作1つにしても、たくさんの「なぜ?」が生まれる。それを色々試して疑問を自分で実証していく。

これが夢中になる要素のひとつだなと思ったりしました。

手も動かし、足も動くので子供たちが集中しやすかったかもしれない。

宇宙パラシュートをくふうしよう

この工作は材料も手順もシンプルだけど、工夫のしどころは本当に多い。

設計書に描かれている「カプセルの穴にヒモを通す」という部分。
穴が小さくて通しにくい。そこで、ヒモをガムテープで張りつけている子がいました。

これも小さな工夫だと思う。

ビニールを貼り合わせて大きなパラシュートを作る子もいました。

カプセルの中にお菓子を入れて楽しむ子もいました。(カワイイ)

宇宙パラシュートの設計書はあくまでもベース。
工夫やアレンジは自由。

「なぜ八角形なのか?四角形じゃだめなのか?」という疑問を実際に試すこともできる。

何個も作れる環境は、いろんなことを試せる場でもあるのだなと改めて思いました。

親御さんスタッフ化計画

コンセプトである「自分で考えて、やってみる」を実践するには「親の見守る姿勢を徹底すること」がとても大事になってきます。

このイベントはスタッフも補助はするけど、教えません。
そのスタンスを親御さんにも事前プリントでお知らせしました。

イベントの目的、スタッフのスタンスをお伝えすることで、親御さんをスタッフにするようなイメージ。

補助はいいけど、教えたらダメというスタンスを伝えるために、具体的な声掛け事例をお伝えしました。
その方がイメージがつきやすいかなと。

この方法を採用してびっくりしたのは、終了後のアンケートでの親御さんの感想

・普段はつい口出ししてしまうので、子供の考えるのをじっくり待つのもいい経験でした
・失敗したことから学ぶということを教えて頂いて感謝いたします

親と子を離れた場所で過ごさせると、親はスマホをいじったりしてしまう。
「見守る」というスタンスで近くにいることは、親御さんにとっても新たな発見だったりしたのかもって思います。

私的には「親御さんスタッフ化計画」って言ってたのですが、これはスタッフとの接触回数を減らす感染対策でもありました。

この親御さんを巻き込む方法は、ブラッシュアップしていきたい所存。

コロナ対策について

緊急事態宣言があろうとなかろうと、感染対策ができないと開催はしません。

今回は各家族ごとにソーシャルが取れ、使いまわす道具も少ないため実施可能と判断しました。

対策を考えてくださった、北神戸田園スポーツ公園の方々のお力添えがあってこそです。本当にありがとうございます。
して頂くことばっかりで、なにも返せてない。。。

当日も運営スタッフとしてご協力いただき、真剣に工作する姿は微笑ましかったです^^

まとめ

「型にはまる」「言われたとおりだけが正解」という場所で過ごしていると、型から少しでもはみ出るのが怖くなる。
そういう過ごし方をして親になると、つい子供に「はみ出てるよ!」って言ってしまうのかなって思うことがある。

失敗する経験が少ないと、失敗が怖い。
けれど失敗から得る見識は、とても良質であることを知って欲しい。

こういった工作で、失敗や試行錯誤を体験することって貴重なのかもしれない。

イベント後に、音声SNS「ClubHouse」で話しが出ていたけれど、このパラシュート工作の意義は深い。

シンプルな工作だけど、工夫できることが無限大にある。「自分で考えて、やってみる」というコンセプトを最大限に活かせる。

ただし、そのコンセプトを主催側が意識していないと「ただの工作」で終わる。そうならないように、主催側も「考えて、やってみる」姿を見せていかねばなーって思いました。

これは本当に良いイベントでした。
お仲間を集めて全国展開やなw