震災から未来へ。星空案内ができること。

1月17日は阪神淡路大震災のあった日。
私は神戸で生まれ育った人間ですので、特別な感情を持つ日です。

震災を経験して深く負った心の傷は23年経ったとしても解消されるものではなくて、むしろ一生背負っていかなければならない傷なのだと思う。

でも23年もすれば、町並みはすっかりキレイになり、若者=知らない世代って感じになってきた。

神戸に住んでいても意識しないと、震災のことを思い出す人も少なくなってきていると感じる。

星空案内人ができること

最近、震災を忘れないためにと活動をしている方と出会った。
そしてそういう活動にご協力できるかもしれないチャンスを得た。

でもね、星と震災の繋がりに関して理由づけがあったほうが良いと思って思考をめぐらせていました。

まず星空案内人として「何ができるか?」ってことを見つけるためには、まず「震災を語り継ぐのは何のためか?」という目的を考えるところからはじめてみた。

いちばんに思いついたのは子供たちに未来を生きるための知識や知恵を教えるという目的。
たとえば地震の経験をふまえながら緊急災害時の対応や備えを学ぶ。それも立派に生き抜く知恵を教えることだ。

防災・減災について学び、考え、自分自身で行動するように促すことの意義は深い。

でもそこらへんは星空案内ではちょっとできない。。。でも少し視点を変えると出来ることがあった。
キーワードは「地学」だった。

「震災」と「星空案内人」結びつけるのは「地球科学」

地学といえば理科の中でも影の薄い選択科目っていうイメージ。。。

地学で受験できる大学が少ない影響だけど、もうちょっと地学がしっかり勉強されても良いんじゃないかと思う今日この頃。

地学のカリキュラムってざっくり分けると天文(宇宙)、地質、地球物理、気象という分野になる。

地学を学ぶこととは災害の元凶である地震・台風のような気象を知ること。
地球レベルで自然を知ること。

宇宙を知ることは、我々の地球を惑星として捉えて見つめること。
宇宙の中の1つの星として自然を見つめることだと思う。

空を見上げ、足元を見つめる。
そして地球を知る。地球に優しくなる。

今までの地震のデータ、気候変動などいろんな分析することで未然に防げることもきっとあって。例えばゲリラ豪雨の予測だって少しずつ精度あげるようなこと。そういった研究・仕事をする人が増えると技術の進歩もさらに早くなるんじゃないかと思う。

うまく自然と共存するようなアイデアもたくさん出て来るといいなと思う。

 

星の案内って色んな切り口があって多種多様。
ロマンチックな星座の話から、遠い果ての銀河の話や宇宙人はいるのか?宇宙開発ってどうなってるの??などなど幅広い。

宇宙を知ることで地学に興味を持つ人も出てくる、もちろん宇宙飛行士になりたい人も出てくるし、ロケットを作りたい人も出てくる。

とあるノーベル賞受賞者が「自然科学への興味のきっかけは子供の頃に天体望遠鏡で土星をみたこと」と言っていたそう。

「空を見上げること」には色んな選択肢のきっかけが詰まっていて、星空案内人はそのきっかけを作ることができる。

震災を語り継ぐ目的として子供たちに未来を生きるための知識や知恵を教えることって言ったけど、星を見せることは震災とは直接関係なくても、ちょっと思考を広げると意義が出てくる。目の前っていうより未来のためって感じ。

普段ははそこまで考えずに「空見よ!」って気軽に言うし感性を重視するのだけど、震災との繋がりを考えたら気が引き締まった。

星空案内ってすごい。楽しい。
だからたくさんの子供達に天体望遠鏡をのぞいたり、空を見上げる機会を多く作ってあげたいなって思う。

とはいえ、気負わずに自分のできる星空案内を。
結果としてそれが1番なんだと思う。

では。